弁護士一問一答 【不動産・建築紛争問題】
不動産・建築紛争問題G 〜不動産の明渡しの強制執行〜
【質問】 不動産に関する明渡請求訴訟等で勝訴して判決が確定したのですが,それでも不 動産の占有者が建物を明け渡そうとしない場合は,どのような手続きになるのです か?
【回答】判決が確定しても不動産の明渡しが履行されず,やむを得ない場合には,強制執 行の申立てを行うことになります。
強制執行の申立ては,明渡しの目的不動産の所在地を管轄する地方裁判所所属の 「執行官」に対して行います。
なお,例えば,不動産の賃貸借で未払い賃料等があり,建物明渡しと共に賃料相当額の遅延損害金等の支払いが命ぜられた債務名義がある場合には,明渡対象不動産の建物内の動産の処理をスムーズに行えるように,建物の明渡しの強制執行と併せて,動産執行の申立てをしておくことも少なくありません。
執行官は,強制執行をするに当たっては,目的不動産に直接立ち入り,必要があ る場合には,閉鎖した戸等を開ける等の処分をすることもできますし,抵抗を受け る時には威力や警察上野援助を求めることもできます。
なお,実務上,不動産の明渡の強制執行では,執行官はいきなり強硬な処分を行 うことはせず,第1回目の執行日では,債務者(占有者)に対して任意の明渡しを 催告します(この時点で,任意の明渡しに応じる債務者も少なくありません。)。
その後,明渡しまでの猶予期間を与えて次回の執行日を定め,それでもなお,任 意の明渡しに応じない場合には,強制的な処分を実行することになります。
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