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弁護士一問一答 【不動産・建築紛争問題】

不動産・建築紛争問題H 〜欠陥・瑕疵とは?〜

【質問】 いわゆる欠陥住宅における「欠陥」とは何ですか?また,建築物等に欠陥があるかどうかは,法的にはどのような基準で判断するのですか?

【回答】

まず,このような場合の「欠陥」は,@欠陥現象とA欠陥原因という二つの概念を明確に峻別して理解しておく必要があります。     

欠陥現象とは,建築物等のひび割れ,不同沈下,雨漏り等の具体的な不具合現象(不具合が表面化したもの)であり,欠陥原因とは,これらの欠陥現象を生じさせている根本原因のことを指します。

そして,法律上,「欠陥」(これを「瑕疵」と呼びます。)と評価されるのは,この「欠陥原因」であって,具体的な不具合現象である欠陥現象ではないのです。

ですから,裁判等で,いくら具体的な欠陥現象をばかりを主張しても,肝心の欠陥原因についての主張や立証がなければ,法的な「欠陥」,「瑕疵」が認められないことになるので注意が必要です。

欠陥住宅や建築瑕疵における「瑕疵」とは,巻生物の使用価値や交換価値が契約内容と比べて不完全なことを意味しますが,瑕疵があるか否かの判断は,@契約書及び設計図書(建築物や敷地に関する工事用の図面及び仕様書のこと。),A建築基準法令,B住宅金融公庫の住宅工事共通仕様書や日本建築学会の標準工事仕様書等の標準的技術基準などの認定基準によって判断されることになります。

特に,契約目的物である建築物は,契約書と設計図書によってその具体的内容が特定されるものですから,契約書や設計図書の記載事項は,当該契約内容を示すものとして重要な瑕疵の認定基準となり,これに反する施工があれば,「瑕疵」と判断されることになります。

不動産・建築紛争問題I 〜欠陥・瑕疵の責任追及ができる期間〜

 

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