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弁護士一問一答 【借金債務・自己破産】

借金債務・自己破産B 〜債務者の経済的再起更生〜

【質問】 自己破産とはどういう制度なのですか?借金を踏み倒すようで,相手に悪いような気もして手続きに踏み切れないでいるのですが・・・。

【回答】

破産法は,その第1条で「この法律は,支払不能又は債務超過にある債務者の財産等を清算に関する手続きを定めること等により,債権者その他の利害関係人及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し,もって債務者の財産等の適切かつ公平な清算を図るとともに,債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする」とその目的について定めています。     

このように,破産法の大きな目的の一つには,とても支払い切れない債務に苦しむ債務者の借金を免除して,債務者に経済生活の再生の機会を与えよう,再スタートを切れる状況を創出しようという「債務者の経済的再起更生」の趣旨があります。

ですから,やむを得ず自己破産をすることは,何ら非難されるべき行為ではなく,むしろ法律が認めた権利として,必要であれば,制度の利用を何ら躊躇うことはありません。

また,債権者側にとっても,いつまでも不安定な債権未回収の状態が続くよりも,破産によって不良債権化してくれた方が良いと考える場合もあるでしょうし,自己破産の制度があることで,借金苦から生じる犯罪や自殺等の社会的損失を未然に防ぐことができるという側面もあるように思います。

もっとも,債務者の債務が破産,免責によって免除される一方で,多くの債権者が債権回収を断念せざるを得ないという側面もやはり否定はできません。

自己破産は,ある意味で,債権者の犠牲のもとに債務者の経済的再起更生を図る法律が認めた制度ということができますから,自己破産をする際には,この点は十分に理解した上で,再び自己破産をしなければならないような状況に陥らないように,自身の生活の立て直しに真摯に取り組むべきでしょう。

借金債務・自己破産C 〜自己破産の利点と不利益〜

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