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弁護士一問一答 【遺言・相続】

遺言・相続D 〜民法改正と相続〜

【質問】 法定相続分について、その他留意することはありますか?

【回答】

まずは、昭和56年1月1日という年月日に留意しておくと良いでしょう。
被相続人が死亡した後、長年の間遺産分割などの手続きをしないでずっと放置していたようなケースでは、複数の代に亘って相続が発生している場合があります(相続問題の実務においても、時にネズミ算のように複雑になった相続関係図を目にすることも珍しくありません。)。

この場合には、昭和22年5月2日まで適用された戦前の旧民法の存在、法定相続分が変更された昭和55年の民法改正についての歴史的な?知識が必要になってくることがあるからです

昭和55年の民法改正によって、配偶者の相続分が従前よりも引き上げられ、改正法が昭和56年1月1日から施行されました。
ちなみに、改正前の法定相続分は、

相続@の@の場合、配偶者の法定相続分は3分の1、子は3分の2

相続AのAの場合、配偶者の法定相続分は2分の1、直系尊属は2分の1

相続BのBの場合、配偶者の法定相続分は3分の2、兄弟姉妹は3分の1
となっており、配偶者の取り分は現在よりも低く抑えられていました。

しかし、時代や社会情勢の変化とともに配偶者の法定相続分を引き上げるべきだとの判断が立法化され(子供の出生数の減少によって、子供一人あたりと比較した配偶者の相続分が低下したこと、生存配偶者の生活の安定を図ることなどが改正の理由のようです。)、現在のような法定相続分に変更されました。

ですから、何十年も遺産分割等をせずに放置していた場合、被相続人の死亡による相続の開始が、昭和56年1月1日以降なのかそれより前なのかによって、法定相続分が変わってきますので、この点についての注意が必要です。

 

遺言・相続E 〜旧民法、家督相続制度と法定相続分〜

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