弁護士一問一答 【契約・消費者問題】
契約・消費者問題D 〜準消費貸借契約〜
【質問】 未回収の売買代金を分割で支払ってもらう合意ができそうなのですが、どのような契約書を作ればよいでしょうか?
【回答】このような場合、債務承認弁済契約書や準消費貸借契約書を作ることが多いと 思われます。
債務承認弁済契約書とは、売買や借金等で債務を負っている人が、その債務を承認し、今後弁済していくことに合意する契約であり、その具体的な弁済方法等を記載するものです。 例えば、100万円の債務があることを認めた上で、これを毎月10万円づつ10回の分割弁済をする・・・などという内容になります。
準消費貸借契約とは、いわゆるお金の貸借りの契約である消費貸借契約によらないで金銭などの支払わなくてはならない義務を負っている債務者が債権者との間でそれを消費貸借の目的をする事を約束したときはこの後者の契約は消費貸借が成立したものと「みなす」、というものです。(民法第588条)
例えば、AさんとBさんがある物の売買契約をしたのですが、Bさんがお金を払えなくなったので、この債務を消費貸借として、実際には新たなお金のやり取りはないのにお金を貸したことにしようということで、利息や弁済期日などを新たに決めて契約する場合に締結する契約です。
滞納した売買代金を分割払いにする場合、このような債務承認弁済契約書や準消費貸借契約書を作成することになると思われますが、滞納した売買代金に利息をつけて支払ってもらうような場合には、準消費貸借契約とするのが適当であると思います。