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弁護士一問一答 【労働問題】

労働問題E 〜従業員側の解約予告期間〜

【質問】 会社の就業規則を見ると、「退職の申出は、2か月以上前に行わなければならない」と規定してあります。従業員が会社を辞職する際には、いつまでに会社側に告知すればよいのですか?

【回答】

労働者側から雇用契約を解約することを、辞職と言います。
そして、期間の定めのない雇用契約(いわゆる正社員契約)においては、労働者は2週間の解約予告期間をおけば、いつでも、理由を要せずに使用者との雇用契約を解約し、会社を辞めることができます(民法第627条1項)。

では、会社の就業規則にこの2週間の解約予告期間よりも長い期間の解約予告期間が設定されていた場合、従業員はこの就業規則の規定に拘束されてしまうのでしょうか。

この点、裁判例は民法627条の解約予告期間(2週間)は、使用者のためにはこれを延長できない」(東京地裁判決昭和51年10月29日・高野メリヤス事件)とし、たとえ就業規則で「退職の申出は、2か月以上前に・・・」と規定されていても、2週間の解約予告期間が優先し、2週間の予告期間が経過すれば当然に雇用契約を解約することができるとしています。

ですから、質問の場合、就業規則の規定に関係なく、従業員は2週間の予告期間をおけば特に理由がなくても会社を辞職することができます。 会社側が辞職や予告期間に関する就業規則の規定を整備する場合には、この点についても留意する必要があるでしょう。

労働問題F 〜退職勧奨〜

 

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